ラグビーリーグワン決勝戦の観戦記

 5月26日(日)、国立競技場で行われた日本ラグビーリーグワン決勝戦、埼玉パナソニックワイルドナイツと東芝ブレイブルーパス東京の一戦を観戦した。

今回はこちらの試合の観戦記を記載したい。

ラグビーリーグワン決勝戦が行われた国立競技場


1.試合前の状況

国立競技場でラグビーを観戦するのは、今年の1月に行われた大学選手権決勝の明治対帝京戦以来。

あの時は雷がなり中断になり、中断後も雪が降るコンディションだった。そのシーンは幻想的で今でも頭の中に焼き付いている。

今回の試合の天候は晴れ。湿度も低くすごしやすい。まさにラグビー日和だった。

人がとにかく多く、出店にはものすごい行列。生ビール900円も飛ぶように売れていた。今回の試合は息子の中学ラグビーの付き添いで来ているので、健全にお茶で観戦した。

リーグワンの他のチームもブースを出していた。スピアーズの木田選手が居た。また、歩いている時にヒートの北條選手ともすれ違った。

会場内に入ってみると、ワイルドナイツ押しの青とブレイブルーパス押しの赤でわかれており、7割ぐらいは青を来ている感じ。今回の席はワイルドナイツ側のゴール裏だった。

練習が始まる。堀江選手が出てくると、「ほりえー」という大きな声援が上がっていた。個人的には山沢京平選手を応援していた(残念ながら出場なし)。


練習をするワイルドナイツメンバー


2.試合開始

15:00過ぎに選手入場。ゴール裏には火が出る機会があって、ボア!とものすごい火柱があがった。ゴール裏2階でも思わず、「熱っ」って言うぐらいだったので、1階の人はもっとすごかっただろう。

試合がスタートすると、ワイルドナイツが押し込む。ワイルドナイツの攻撃には厚みがある。そして、前半3分に小山選手が持ち込みトライ。「流石、ワイルドナイツ。強い」と思っていたら、まさかのTMO。会場全体で、スクリーンを凝視。ワイルドナイツファンからはトライ、という大きな声援が上がっていたが、ラインを超えていないという判定で、ノートライ。微妙な判定だった。

その後、ワイルドナイツがペナルティキックを決めて6点をリードする。このままワイルドナイツが優勢かと思ったが、その後、ブレイブルーパスに流れがくる。

そして、前半28分、ジョネ・ナイカブラ選手がトライを決める。このトライシーンがスクリーンに映し出された時にゴールラインを超えていないように見えたことから、会場内が騒然とする。しかし、こちらはTMOにかけられずに、そのままトライが認められた。結果はどうであれ、公平性の観点からTMOで確認してもよかったのではないだろうか。

前半39分、ジョネ・ナイカブラ選手がブレイク。そのままライン際を走るが、ナイカブラ選手の後ろからコロインベテ選手が飛び込み、首筋のユニフォームを掴んで倒した。このシーンが会場内のスクリーンに映し出された時、会場内にどよめきが起こる。これはイエローで認定トライだと思われたが、結果はイエローのみ。後で知ったのだが、竹山選手がタックルできただろうということで、ペナルティのみとのことだった。会場内で見ている限りにおいては、あの勢いであればそのままトライできたと思われ、認定トライが妥当のような感じがした。

前半は10‐6でブレイブルーパスがリードして終わった。

しかし、両チームとも当たりが激しい。真ん中を切り裂くFWやCTBの突破は両チームともほとんど激しいタックルで止めていた。両チームともディフェンスがしっかり機能していた。

とにかく、今まで見た日本ラグビーの中で、こんなに締まった試合はなかったのではなかろうか。観ていて楽しい、本当に心からそう思える攻防だった。


3.後半の試合

ハーフタイムに出ていた、男子のチアリードの人たち、めちゃくちゃすごかった。とにかく高さが半端なかった。

後半スタート。後半開始早々から堀江選手が登場する。会場内では、「ほりえー」という声援が上がっていた。さあ、この試合の結末はどうなるか、会場が固唾を飲んでキックオフを見守った。

そして、前半5分、ジョネ・ナイカブラ選手がライン際を走ってトライ。その後、モウンガ選手がゴールキック、ペナルティキックを決めて、ブレイブルーパスが17‐6とリードする。

ワイルドナイツ、これはまずいのではという雰囲気が会場内に流れる。

そんな流れを断ち切ったのが、ベン・ガンター選手。キックを抑えた松永選手からジャッカルしてそのままトライを決めた。そのシーンがスクリーンに出ると、「すげー」という声とどよめきが会場内に響き渡った。どれだけのものをこの試合は見せてくれるのか。もう、一瞬も目を離せない。

そして、ゴールも決まり、17‐13と1トライ差につめる。

そして、そのわずか5分後、山沢選手のキックをコロインベテ選手が見事キャッチし、ラックから小山選手が飛び込んでワイルドナイツがついに逆転する。恐るべし、ワイルドナイツ。完全に敗戦ムードだったのに、わずか10分足らずで逆転した。

もう、これでワイルドナイツ勝利だ。会場内にそんな雰囲気が流れていたが、その4分後、タッチラインを走った松永選手から、ナイカブラ選手、森選手がボールを受けて、ゴール中央にトライ。このトライもTMOにかけられる。このシーンはタッチを切ったか、スローフォワードはないかのチェックだった。結果はトライ。まさかの逆転だった。ブレイブルーパスファンの歓喜とワイルドナイツファンの悲鳴が入り混じった声援が国立競技場内に響いた。いやあ、すごい試合。面白過ぎる。

ゴールキックも決まって、これでブレイブルーパス勝利だなと思ったが、ブレイブルーパスの反則からボールは再びワイルドナイツへ。そして、ワイルドナイツは堀江選手からコロインベテ選手、その後もフェーズを重ねて最後は長田選手が決めてトライ。まさか、まさかの再逆転。今度はワイルドナイツファンの歓喜とブレイブルーパスファンの絶望の声が国立に響き渡る。

しかし、ここでまたTMO。なんと、スローフォワードの判定とのこと。スクリーンに流れた映像を見ると確かにスローフォワードに見える。結果、ノートライ。ワイルドナイツファンの悲鳴がなんとも言えない感じだった。しかも今日、引退する堀江選手のスローフォワード、何とも言えない状況になる。

ここで、最後のスクラム。しかし、最後までワイルドナイツはあきらめない。ここでコラプシングの反則を獲得する。何という試合。まだ終わらないか。最後の逆転を信じて、ワイルドナイツファンは大きな歓声、ブレイブルーパスファンは頭を抱えた。

しかし、最後はあっけなかった。ブレイブルーパスがジャッカルを成功させ、最後はモウンガ選手が外に蹴りだして試合終了。ブレイブルーパスが24‐20で勝利した。


4.試合後

あまりの壮絶な試合に会場内はノーサイド後もどよめきが収まらなかった。その後、リーチ選手のインタビュー、逆転トライを決めた明治大学卒の森選手のインタビュー、そしてモウンガ選手のインタビューが行われた。

ここで、粋な計らいが。敗れたワイルドナイツの堀江選手のインタビューも行われたのだ。堀江選手らしいお話が聞けて、会場内はワイルドナイツファンはもちろんブレイブルーパスファンも大きな声援を送っていた。こういうのがラグビーの良さなんだよな。敵も味方もなくなるノーサイドの精神、勝った方も負けた方も本当に全力をぶつけて戦ったからこその試合後の光景だ。

ただ、そうは言っても勝者と敗者は存在する。ブレイブルーパスは勝者として表彰され、会場内を勝者として1周する。


優勝して表彰される東芝ブレイブルーパス東京


一方のワイルドナイツは敗者として、ファンに感謝をしながら1周する。この違いが勝者と敗者の差なのだ。

決勝戦に敗れた埼玉パナソニックワイルドナイツ


ワイルドナイツは2年続けて決勝戦で敗れた。来年はどのようなチームになるのか、このまま負けて終わるチームではない。是非、来年こそはリベンジを果たしてもらいたい。

ブレイブルーパス、優勝おめでとう!!
本当にナイスゲームだった。来年も強いブレイブルーパスを楽しみにしています。

今回観戦した5万6,456名はこの世紀の一戦を満喫して、ますますラグビーが好きになったと思う。これからも、日本ラグビーの発展を楽しみにしていきましょう!!

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。



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